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香川県 高松市


2010年度 社団法人 高松青年会議所 理事長所信

恩 義 真 伝

~誇り高き地域の創造~

2010年 社団法人高松青年会議所 理事長所信 葛西裕一
社団法人高松青年会議所
理事長 葛西 裕一
 
 
 
「先人の魂」 ~弛まぬ挑戦の継承~
 
 
社団法人 高松青年会議所(以下高松JC)は、1957 年(昭和32 年)全国125 番目のLOM(※1)として発足致しました。
戦後廃墟となったまちから、不屈の精神力と地域を想う熱い気持ちで経済復興に起ち上がった創始の先輩方。
そして53 年間に亘り「明るい豊かな社会」の実現に向け、社会貢献や人材育成へと弛まぬ努力を積み重ね、 愛する郷土のため、地域の方々と共に歴史を刻んで参りました。
この歴史と伝統は、多くの諸先輩方が立ち止まる事なく歩み続けた証であり、受け継がれていく未来への礎であります。
歴史や伝統は、創造と変革と破壊の繰り返しの結果だけで築き上げられたものではありません。
いつの時代も、その時代にあった課題に迷いながら挑戦し、成功や失敗する事で、その後に湧き上る達成感や充実感を共有出来る素晴しい仲間の輪を広げ、その経験によって築き上げられて来られました。
私達にはその歴史と伝統を受け継ぎ、繋いでいく責任があります。私達が行うべき事、それは青年らしい変革の能動者として、志高く、英知と勇気と情熱を持って「明るい豊かな社会」の実現に向け、立ち止まる事なく突き進む事なのです。
 
 
 
 
「気高きJC」 ~恩義を胸に真に力強い組織へ~
 
 
私達、青年会議所会員は、数多くの研修や出会いの場において人間形成を行い、自己の成長へと繋げ、そこで学び得た気付きを様々な人達に与え伝えていかなければなりません。
JCは自己の能力を高めると共に、相手の能力を引き出す事も必要であり、家庭や仕事はその能力を発揮し実践する場なのです。人は人により支えられ、人は人により磨かれ鍛えられます。
先ずは「家族や職場の人達に支えてもらっている」という事に感謝する気持ちを胸に刻み、JCで学んだ事を活かしていく事が必要です。
又、会員間でも己を律し、お互いを磨き合い、自己の成長へと繋げていく責務があります。そして、人と人との営みの中で、「恩を受ければ恩で返す」という行為が更なる人間関係を育み、「どちらが得か」という打算や損得から離れ、「義」を貫き、人としての正しき道をしっかりと歩む事が大切です。
JC運動・活動において、様々な困難が立ちはだかりますが、乗り切れる困難しか人には立ちはだかりません。
その困難を乗り越える事により、人としての成長に繋がり、何が起きても立ち向かえる力となります。
「言い訳」を並べ「人任せ」にするのではなく、困難から逃げず真正面から対峙し、地域社会を築き上げていく一人のJAYCEE(※2)として、企業を担う青年経済人として、自らが勇気と責任ある一歩を踏み出し、やがては高い精神性と魂のこもった真の力強い組織へと繋げていかなければなりません。
 
 
 
 
「JC精神の伝播」 ~責任と義務を重んじる、志高き組織の確立~
 
 
近年、JC を取り巻く環境として、会員の減少と事業への参加率低下が課題となっています。
もちろん魅力ある組織でなければ人はJC という門を叩く事もなく、その空間に価値も感じないはずです。
先ずはJC という組織が魅力的である事、そして「志高き組織力」を持つ事が必要です。
JC の魅力の一つに、普段の生活では体験出来ない、運動・活動を通じて得られる大きな感動や達成感があります。
それらは、JC ならではの厳格なる規則や礼儀礼節があるからこそ得られるのです。しかし今の時代、それらを語る事が大切だと知りながら軽んじてしまう事があります。
だからこそ、会員一人ひとりが、JC における全ての事を自分の事として取り組み、物事を批判するのではなく、どうすれば良くなるかを考え、お互いを磨き高め合う事により、魅力ある人が育ち、魅力ある組織が構築されます。
そして、JC の歴史を紐解き、古き良きJC 精神を学び、自らを律しながら「責務を全うする気概」を持ち、運動・活動していかなければなりません。
責任と義務の下、誇りと覚悟を持って自らを磨き進化して行く事が、自ずと力強い組織を育み、会員拡大や事業参加率への成果へと繋がるはずです。
厳格なる規則や礼儀礼節を重んじ、高き理想を掲げ責務を全うする事で強い組織を育み、積極的参画により得た自身の経験から成る力強いメッセージを後世へと伝えて行く事、それがJC精神の伝播です。
 
 
 
 
「地域力の再生」 ~探求心を持った誇りのある地域社会の実現~
 
 
国の構造改革によって地方分権型社会へと移行する中、それぞれの自治体における特性に見合った方策が、地方自立に向けての重要な課題になってきました。
その中で、地域の未来への方向性を決めるのは国や行政ではなく、市民自らがその方向性を示さなければ真の意味での自立とはいえません。
自然災害や防犯に対する住民意識の向上や、それに伴うネットワークの構築等、自分が暮らす地域は自分で守るという気概が必要であります。
また、地域の歴史・風土・文化・自然・人情を紐解き、真剣に見つめ直し、地域社会の主体者として数多くの市民と共に行動し、このまちへの愛着を育む事が、積極的に地域の未来を自分達で創っていこうとする、市民意識変革運動の始まりとなるのです。
いかなる歴史を経てこのまちが創られたのか。
先人達の歩みを真摯に学び、先人達が築き上げた文化や技術・産業・都市基盤などをしっかりと見極め、愛する郷土の為に地域の方々に何が必要なのか、何を伝えるべきなのかを探求する事が必要だと考えます。
地域に深く根付き貢献する団体であるのならば、先ずは自分自身が「まちへのあくなき探究心」と「愛着と誇り」を胸に持ち、市民の皆様に広く伝播し、市民意識を変革していく事が、真の自立した地域社会を構築するのです。
 
 
 
 
「共創共生」 ~真の地域に根ざした運増の実践~
 
 
近年、高松のまちにも様々な専門的活動を行うNPO 団体等が増え、私達は、ひとづくり・まちづくりを行う唯一の団体ではなくなっています
。この様な時代だからこそ、地域に必要とされる組織、地域に影響を与える組織でなければなりません。
JCの組織は単年度制ですが、「継続は力なり」という言葉がある様に、JC 運動・活動も、今まで築き上げて来た行政・諸団体との繋がりや、地域運動を検証しながら未来ビジョンを構築すると共に、しっかりと地に足をつけ、目線は真っ直ぐ地域に向け、地域に根ざした運動や事業を行う事が必要だと考えます。
そのために、会員一人ひとりが、先ずは地域の課題やまちに何が必要とされているかを様々な角度から検証し、意思を示し、今後の方向性を見失わぬ様に、地域・行政各諸団体・企業の声に耳を傾け行動しなければなりません。
そして共に夢を描き、共に地域の課題に取り組み、いかなる事態にも対応できる「柔軟な組織」として、前向きな変革を促すための「架け橋」となり、より良い社会の実現に向けて行動しなければなりません。
その結果、JC は社会的価値を高め、真に説得力を持つ、真に力強い組織として進化していくのです。
郷土を今一度見つめ直し、地域に暮らす方々の目となり耳となり、誰のための、何のためのJC 運動・活動なのかを見つめ直す事が必要なのです。
私達は一人の市民として、また一人のJAYCEE として、自分達の暮らす地域は自分達が創るという志命を胸に刻み、そして地域が抱える問題の本質を知り、そこに住む方々が安心して暮らせる社会を創造しようと考える時、JC は今以上に必要とされる地域に根付いた存在になるのです。
近年のビジョンや運動・活動を検証し、新たな未来ビジョンを築く事から地域とJC との「共創共生」が始まるのです。
 
 
 
 
「大人の背中」 ~和の心の継承~
 
 
日本人は古来より豊かな自然の恩恵に感謝し、先人を敬い、他者を思いやる心を大事にして来ました。
しかし、私達を取り巻く環境は、物質的には豊かになったものの、心の豊かさは乏しくなるばかりです。
利己主義的な価値観が蔓延し、道徳心なき経営者や公共心なき公務員の不祥事、青少年による信じ難い凶悪犯罪などが頻発する、荒廃した社会へと変わりつつあります。
これらの問題を生み出している責任は私達自身にあり、未来を担う子供達が心豊かな人格を育む上において、私達の行動全てが大きな影響を与えている事を忘れてはなりません。
自らを律し、「大人の背中」を見せる事で、先人への感謝、他者を思いやる利他の心、命の尊さを学び、そして、食べ物への冒涜、増え続けるゴミ、我が物顔で使い続ける地球エネルギー等、私達自身の手で蹂躙し続けた自然環境に対し、反省の意を込めて正面から向き合い、いかに大切であり、守らなければいけないものか、しっかりと伝えなければなりません。
現代の日本人が失いつつある、日本古来の伝統的精神や倫理・道徳観を学ぶ事が、日本人らしさを取り戻す大切な第一歩となります。
大人が学び、自らを律し、「和の心」を子供達が受け継ぐ。
それはLOMに留まらず、必ず地域の能動的な行動を喚起し、私達の地域が大きく変わっていくチャンスとなるのです。
 
 
 
 
「頼れる高松JC」 ~組織力を活かしたネットワークの確立~
 
 
各地青年会議所から出向し、運動・活動を展開する出向者も、それを支える各地青年会議所も並大抵の労力ではありませんが、外から内を見る事で、LOM に何が足りないかを知り、同時に様々な価値観・経験を備えた世界中の仲間と出会う事が出来る絶好の機会となります。
そして、そこから生まれるネットワークや、様々な学びを高松JC に持ち帰り活かす事が、地域発展に繋がるのです。
出向者は出来るから出向するのではなく、「高松JC のため」、そして「地域発展のため」に出向するのです。
会員全員が全力で出向者を支え、また、出向者はその支えに感謝し、全力で取り組む事によって成果を得られ、大きな財産となるのです。
この財産を会員全員で共有出来る様、LOM として全面支援体制を確立して参ります。
また、53 年間弛まぬ努力を積み重ね、歴史を刻んできたシニアの先輩方から伝えられた事を継承し、更なるネットワークの構築を図り、先輩方が歩んで来られたこの高松JC で運動・活動が出来る事への感謝を胸に、しっかりと地に足をつけ、邁進して参りましょう。
 
 
 
 
自分に厳しく、勇猛果敢に困難に立ち向かい、
JC という学び舎で得た気付きや学びを地域社会に活かす事が希望に満ち溢れた未来への礎となるのです。
そして、この機会を掴み活かすのは自分自身であり、
一人ひとりの気高き一歩が誇り高き地域の創造へと繋がるのです。
 
 
 
 
※1 LOM・・・・・・・・各地青年会議所(本文は高松JC の事を指す)

※2 JAYCEE・・・・・青年会議所会員
 

社団法人高松青年会議所